「ここが俺の家だ」
(実に久々のナチョス=ナチョチーズ味のスナック美味いなり党大会にて)
オ〜レの名はアントニア・ヒスタ〜、総〜統ちゃ〜
ん・・・まちがい
まちがい、何年も出てこなかったのでキャラクターおおまちがい。お久しぶりすぎ
なれど、総統ちゃん7さい(設定上永遠に)なり!ワータイガーとワーウルフの戦争は相変わらずだし、銀の弾丸で負傷した大人の兵隊さんたちの
復帰もままならねえし、例によって新い志願兵は女子供ばっかしだし!銀弾さえくらわなければちょっとやそっとじゃ死なねえ我らワータイガーなれ
ど、使えねえのばっか来られても困るなりよ・・・ああ、独立503大隊のワーチーターズは良いなりな、猫科ライカンスロープとしては弱い方なのに、
先任下士官に鍛えられるまでもなく、天然の才で敵を狩りまくる肉食獣の権化なり。いつも狙撃されるのも恐れず、戦車の上に身を乗り出して索敵
してるし(注1)、奴
ら5歳児なれど生まれつきの捕食者(プレデター)なりよ。しかし普通は最初からあそこまでやれる兵隊っていないものなりね。
できれば殺したり殺されたりしない場所にひっこんでいたいし、まして戦争が終わりに
近づいている時、後方勤務のはずだった者なら尚更。
しかし、まさにその状況で実戦の場に放り込まれ、ほんの三日ほどで兵隊としての殆ど全てを体験することになった新兵の話を・・・
てなわけで本日は映画「フュー
リー」について語るものなり!
1945年4月・第二次大戦末期、西部戦線はドイツ国内にまで達
していたなり。小隊が全滅しただ一輌生き残った、しかし副操縦手兼前方機銃手を
失ったM4A3E8(注2)
「フューリー号」。ウォーダディ(戦争親父)ことドン・コリアー軍曹以下、二年前の北アフリカ戦線以来のベテラン(ってゆ〜か
見た目小汚いおっさん)たちは、他の小隊に編入されて再び戦場に赴くなり。ところが補充されたのは新兵、しかも何を間違って送られて来たのか
本
来は本部付けのタイピスト。戦車に乗るのも初めてなド素人なれど、人手=敵を殺す者が必要なので、ぶっつけ本番で鍛えて「兵隊」になって
もらうなり!・・・てなわけでかの新兵ノーマンは、戦死者の血
を拭き取らされ捕虜を撃たせられ女を抱かされ敵をぶっ殺しまくらされ・・・と、それは
もう兵隊としてはあまりに濃すぎる三日を過ごすハメに。そして
最後、本当の「戦友」となった戦車クルーたちとの別れの時が・・・
ハリウッドらしからぬリアリズム重点!なハードコア戦争映画。やってることは特に変わったこともない普通の「戦争」なれど、本業
タイピストという
殺し合いとは縁の無い新兵の目を通し、観客を戦場・ザ・地獄へと連れ回すものなり。この時期、本当なら米軍は圧倒的な戦力でもっと余裕が
あるはず(注3)なれど、まあ局地的にはこんなんだったかもしれないなりね。捕虜になったSS(親衛隊員)や米軍のコートを着用した兵士(注4)を
射殺したり、ドイツの民家に押し入ったり(注5)、正義のヒーローではないG.I.ジョーたちを正直に描いてるなり。まあここまで負けがこんでるのに
狂信的に戦うSSには腹立つし、少年兵でも容赦なく殺さないとこっちがパンツァーファウストで吹っ飛ばされる状況ゆえ、そりゃ鬼にもなるなりな。
やってきたばかりの新兵からしてみれば、そんな下品で小汚くDQNなオッサンたちばかりの戦車クルーどもなど、とても感情移入できるものでは
なかったなれど、共にダーティーな「仕事」に手を汚し助け合い、相手を殺して自分は生き残るという「罪」を分かち合う(注6)。そしてほんの数日
の間に戦友愛が芽生え、死んだ友の手を握って離さなかったり、遺体を抱いて嘆く程に・・・毎
日吊り橋効果の中で共にいるんだから、そりゃ軍
隊
でホモが増えるわけなりよ!ゆえにフューリー号を残し小隊全滅、しかも地雷で行動不能になりながら、命令通り交差点の死守を決意する車長
についていくぜ兄貴!死ぬときは一緒だぜ!となるわけなりな〜。
しかしウォーダディ、実際最後の交差点死守命令は別にやんなくてもよかったなりね。何せ来月戦争終わるし、ベルリンに突入するのはソ連軍
だし、米軍はそこで足を止めても戦況に何の影響もないわけだし、結果から見れば。状況的にも戦車を爆破・放棄して撤収するのがセオリー
なれど、彼からしてみれば戦友という「家族」と暮らす「家」であり、それ自体も単なる物体ではなく戦友の一人であるフューリー号を見捨てて
いけなかったわけで。またそこに到るまでの他の戦車兵たちの犠牲が、全くの無駄になってしまうのにも耐えられなかったのか。映画「戦争の
はらわた」のスタイナーも、戦争と将校(=職業軍人)を憎んでいながら、そこから離れることができない、戦友を捨て置けない、戦場中毒だった
なれど、きっとウォーダディも同じタイプだったのなりね。おかげで4年前の東部戦線における「街道上の怪物」(注7)の再現となってしまい、特に
救いもなかったわけなれど。反面、さすがに殺りすぎて捕虜にはなれないだろうと思ってた新兵が、隠れているのを一人見つけたドイツ兵の対応
・・・(ネタバレなので略)。映画「Uボート」も従軍記者という観客の視点、生き残るため奮闘する小汚いおっさんたち、そして空しい結末、と共通
するものがあり、しかし戦争てのは所詮そ〜ゆ〜ものなり、ということなりね。ああ、今ワータイガー帝国がやってる戦争はいい戦争!(独裁者
の総統ちゃんの立場ゆえにお察し願うなり)
あと、戦車や軍装の考証は過去のどの映画と比較しても最高レベルだったなりね。特に戦車はティーガーを含め本物(注8)を引っ張り出してきた
だけのことはあるなり。戦争映画では意外にガチの戦車戦シーンって少ないので、かなり新鮮だったなりな。ただティーガーは隠れた位置から
距離を保って戦うべきだったし、武装SSは最初からパンツァーファウスト持ち出すべきだったなりね。まあ本当にそれやったらシャーマンはすぐ
全滅で、映画がそこで終わったなれど。
総統ちゃん命令第131233号!
戦車戦!戦車戦を映画でもっと観たいなり!「ガールズ&パンツァー」とか「World of
Tanks」とか、ちょうど戦車関連のコンセプトがヒットしてるゆえ
今こそチャンス、たたみかけるなり!ロシアあたりでも動くドイツ戦車やレプリカがゴロゴロあるようなので、コレクターの積極的強力を求めるなり!
撮るべしったらべし!!べ
し!
(注1)・・・親からはぐれるなどして人間に育てら
れてから野生に戻ったチーターは、サファリに現れた自動車を恐れず、上によじ
登って見張り台に
して、獲物を探したりするそうなり。
(注2)・・・大戦中におけるM4シャーマ
ンシリーズの最終型
なれど、実は映画で使われているのはコレクター所蔵のM4A2E8なり。ディーゼルエンジン
で機関室グリルや車体後部装甲板の角度が違うなれど、劇中見分
けつかないから別にいいなり。
(注3)・・・米軍戦車は前年末からの「バ
ルジの戦い」で大き
な損害を出し、歩兵支援には有効なれど対戦車戦闘能力に劣る75mm砲搭載型M4
シャーマンの非力さが目立ったため、長砲身76mm砲型のみを
受理するようになって、新車の75mm砲型が何百台も余って補給所に保管状態と
いうありさま・・・もったいないオバケが出まくりなりな。
(注4)・・・劇中ではアメリカ兵を殺して
奪ったからだろう、
とか言ってたなれど、実際バルジの戦いでは質の低下した自軍の冬服の代わりに奪った
米軍のコートやズボンを着用したまま捕虜になったため、スコル
ツェニーの特殊部隊同様、スパイ扱いで銃殺になった者もいたなり。
(注5)・・・「バンド・オブ・ブラザー
ズ」でも精鋭とされる
第101空挺師団の兵士が民家に入り込んで泥棒してたなりね。
(注6)・・・劇中ならず者風の奴らでも聖
書の一説を暗記し常
に神に許しを乞い続ける、常に罪の意識とストレスに苛まされているのなりな。
(注7)・・・バルバロッサ作戦初期、三叉路を守るKV-2が一輌でドイツ軍補給線を脅かし居座り続け(実は故障して動けない)、討ち取られた事件。
(注8)・・・厳密にはM4A2ではなくM4かM4A3、ティーガー極初期型ではなく後期型がより正しいなれど、そこまで要求するのは酷なりね。
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