「貴様は戦死しているんだ!」


(大本営で戦況報告を受けながら)

総統ちゃんが就任して以来、双方の戦力枯渇もあって戦局はダラダラでヌルヌルなり〜。
戦果も損害もほどほどで、なんか戦争がイベントじみてきたようであるなれど、最近、敵の
海軍特殊部隊らしきものが、海岸の偵察に来ているとの報告が!もしや、大反抗作戦
のための下準備?上陸部隊の侵攻のため、ポイントを調査してるなりや?急ぎ、独立
第503獣戦車大隊第一中隊に、付近の警戒を・・・え?もう入ってる?・・・獣戦車がみんな
食中毒で養生(修理)中で、重装備無しの擲弾兵部隊として、臨時に海岸を防衛中?
で、のらごんズが刺突爆雷抱えて、水中で待ち伏せ?・・・って、伏竜な りや!それは。
しかし、のらごんズって、しーのらごんみたく泳げるの?・・・ダメ?だから全員行方不明?
戦わずして全滅なりや〜?!
・・・ああ、あとで定置網に引っかかって、漁師のおじさんに回収されたのね。まったく、
泥縄式に特攻作戦行ってど〜するなりや!そもそも陸(おか)のらごんが海で戦うのが
無謀なり!・・・あ、そういやあの陸軍の航空隊も、洋上飛行の技術もなく、飛行機に
不時着水用装備もなしに対艦攻撃に出撃していたなりなあ・・・てなわけで今回は
菊池寛賞受賞のノンフィクション小説「陸軍特別攻撃隊」!

1944念、第二次大戦の太平洋戦線。米軍の反抗作戦で日本の連合艦隊は壊滅的打撃を受け、
いよいよフィリピン奪還のための上陸が開始されるなり。もはや、多くの熟練パイロットを失った
陸・海軍航空隊の力では、質・量ともに圧倒する米軍を阻止することは不可能。そこで・・・
究極の攻撃法が選択されるなり。「特別攻撃」、すなわち「特攻」!爆弾を積んだ機体ごと
体当たりを仕掛ける有人ミサイル攻撃!だがしかし、陸軍特別航空隊富嶽(ふがく)隊
万朶(ばんだ)隊の 二つは、最初から特攻隊として編成されたのではなく、現地に着いたら
いつのまにか特攻隊にされていた
なり!・・・志願などだれもしてないのに!これまで、跳飛爆撃(反跳爆撃=スキップ・ボミン グ)
をも猛訓練、その腕を存分に発揮しようという矢先の特攻命令!死を覚悟して挑むのではなく、
確実な死に向かっていく体当たり任務・・・しかもそれは勝利を目的としたものではなく、単なる
組織維持のための時間稼ぎのようなもの!「御国を守る」という大義名分の裏に隠れた、責任の
不在と押し付け。そして、フィリピンを守る四航軍司令官・富永中将は若者をさんざんあおって
死地に送り出したあげく、命令も無いのに勝手に台湾に逃亡!・・・なんかもう、最低なり
富嶽隊の梨子田曹、万朶隊の佐 々木伍長を中心に、いろいろな視点から真実を暴く傑作!

朝日新聞(当時は今と正反対にバリバリに右翼)の報道班員だった高木俊朗が、自ら見聞きした り
当時の関係者を取材してまとめた、美麗字句で語ることなどとてもできない下世話で情けない、特攻
隊の真実をグリグリえぐるドキュメンタリー。いやもう、なんか日本人って、戦前も戦後も根本的にやる
ことが変わらないなりな、特に官僚は。最後まで読んでみてよくわかるのは、人間は自分の居場所
(組織・地位)を守るため、他者を犠牲にすることを厭わず、むしろ口実を一生懸命考えやがるもので
あるなあ、とゆ〜こと。面白いのは、戦後インタビューを受けた「特攻を送り出した」側の者たちは、
死んでいったものの名誉?のために多くを語らないポーズをとり、あくまでもこの嘘と泥縄の世界を
純真な若者たちの英雄的行為の記録としたいらしいなり(笑)!寝言は寝てからゆえ〜!

責任の不在と建前と保身・・・飛行機から美しい日本の自然を見て、「これを守るために死ぬもよし」と
心を決めた若者たちは、確かにいたなり。しかし、全員が全員そんなわけはなく、特にわざわざ一回
きりの「必死」の特攻などより、「決死」の通常攻撃を望むベテランは多かったなれど、そういった者すら
「卑怯、未練」とののしり、確実な死・・・でも戦果は不確実・・・へと、送り出そうという(注1)全 く航空戦を
理解できてない歩兵出身の指揮官(注2)。ううむ、同じ死ぬにも馬鹿に命じられて死ぬのは まっぴらなり。
総統ちゃんみたいな国家元首に恵まれない国は不幸なりなあ〜(注3)

総統ちゃん命令第12563号!
軍隊だけではなく、日本の官僚機構のダメダメな部分の描写の集合体みたいな本作品。
いや、普通の会社なんかでもこの理不尽さはありそうなりな〜。そういった理不尽に現実に
ぶつかる前に本書を熟読し、理不尽が作られるシステムを理解し迎撃準備すべし!
べしったらべし!!べし!


(注1)・・・今回のタイトルのもとの言葉「貴様は戦死しているんだ。きょうからは、残飯供養だから、そう 思え」
特攻から生還した佐々木伍長にあびせられた、猿渡参謀の暴言・・・本音が丸出しなりな。

(注2)・・・離陸する飛行機の傍らで、軍刀を引き抜き振り回して鼓舞するなど、ピントのズレたパフォーマンス
をやったり、士気を鼓舞する演説のため、機体と兵員を飛行場に並べさせたところで空襲にあったり・・・馬鹿?

(注3)・・・そ、そうか?


「陸軍特別攻撃隊」


現在、新刊では入手 困難につき復刊希望者は投票すべし!





「アタシが今まで出会った最低の兵隊だ よ!!」


(大本営で戦況報告を受けながら)

今回での迎撃戦闘での我が軍の戦死者は?・・・ゼロ?それはすばらしいなりな!え?敵も戦死ゼロ?
そんなヌルい戦いだったなりや?・・・ハア、いよいよライカンスロープ(獣人)に致命傷を与えることの
できる銀の銃弾が枯渇してきて、ひどくても重傷どまり?のらごんズにいたっては、いつものとおりの
タフっぷりで無傷・・・なんか、ますます戦争ゴッコじみてきたなりねえ。まあこの戦争、昔のいがみあい
が、過剰になって今に続いてるだけゆえ、儀礼的な戦闘で終わる状況も昔にもどっただけなのかも。
死という取り返しのつかない悲劇を除いた戦争なら、スポーツのような敵との友情も芽生えるなりや?
敵の異性との愛情は芽生えるなりや?・・・いや、犬科と猫科じゃ無理な気が。

地球連邦軍とジオン公国の「一年戦争」後期。ホワイトベース 隊によりガルマ・ザビが戦死したころ。
東南アジア方面の地上モビルスーツ大隊に着任するため、シャトルで地球に向 け移動中の連邦軍の
シロー・アマダ少尉。途中、ジオンの実験機とその護衛vs味方との戦いに巻き込まれそうになり、
シャトルを逃がすため搭載してあった宇宙戦闘ポッド・ボールで単機出撃。火力支援用のボールで、
敵実験機(リックドム脚のザク)に格闘を挑み、見事相撃ちにもちこむなり! 機を失い、敵パイロット
ともども漂流中の宇宙戦艦に逃れたシローは、敵が民間(注1)の女性パイ ロット・アイ ナ・サハリン
であると知るなり。互いに生き残るために協力しあううちに、今まで敵組織を 憎悪しあっていた二人は
なにげに好意を抱きあうなり。陸戦型ガンダム(注2)の小隊長となっ たシローは、現地のゲリラ(注3)
との協力関係もでき、理想主義で新米の「甘ちゃん」と呼ばれながらも戦果を挙げ、次第に部下の信頼を
得ていくなり。一方、やはりアジア方面(注4)の山中の秘密基地で、実兄・ギニアス・サハリン少将
(注5)手がける超巨大モビルアーマー・アプサラス(注6)の試験を 行うアイナ。しかし、その実験を
連邦に察知され、シローの8小隊の待ち伏せを受け、またも激しい戦闘に!シローのガンダムをしがみ
つかせたまま飛び去ったアプサラスは雪山に不時着、両機とも損傷。再び生き延びるために協力する
二人はますます互いに強く好意を抱くなれど、救助部隊同士の戦闘の中、別れ別れに。偶然すぎる
二人の遭遇に、上層部にスパイ疑惑を持たれたシローと小隊は、アプサラス開発工場の探査の任を
与えられ、敵陣深く侵入。発見された工場は陸・空の砲爆撃にさらされるなれど、ノリス大佐(注7)
の獅子奮迅の活躍で工場スタッフを乗せた機動巡洋艦ケルゲレンの脱出ルートが確保でき、さらに
アプサラスIIIで決戦を挑むギニアスとアイナ。軍を抜けることを決意し、決着をつけに向かうシロー!

「0080」「0083」に続く、「リアル系」「ミリタリー系」のOVA版ガン ダムの第三弾。当初、「ダグラム」
「バイファム」「メロウリンク」等の総監督である神田武幸が、ガンダ ム版「コンバット」(注8)
目指して制作。このため、ハリウッドのB級戦争アクション映画や、その劣化コピーであるイタリア
戦争アクション映画(マカロニ・コンバット)っぽいチャチさやクサさが充満。(ダグラムやメロウリンク
でもそうだったなりな)かといって、同時期の「Gガンダム」「ガンダムW」のようなアニメ的なケレン味は
不足しており、なんとも中途半端な位置にあるアニメであったなり。基本的に、ミリタリー風味の
戦闘シーンで「一年戦争原理主義者」のニーズに応え、シローとアイナの「ロミオとジュリエット」劇
で一般アニメファンのニーズに応えるはずが、実際はどっちつかずであったなりなあ。

しかし、神田監督の急逝により、途中から宮崎駿監督の弟子筋である飯田馬之介に バトンタッチ。
昔ガンプラモデラーでもあった新監督、アッガイ(単機でガンダムを中破!)や マゼラアタック、
グフを大活躍させるモデラー大喜びの展開にして、ミリオタ方向の好感度を上昇させるなり。

さて、戦場で女に目がくらんでいるシロー・・・実際、作品前半総集編である劇場版で、監査官の
誘導尋問に引っかかってアイナを愛していることを認めてしまう・・・は、「敵ともわかりあえるはず」と
軍法会議でタワゴト抜かして皆に失笑されるありさま。これは、大半のミリタリー好きファンの気持ちでもあり、
戦場でのロマンスなど「何遊んでやがる!戦争しろ!」と言いたくなるなりな。しかし口では甘いこと抜かし、
なんとか敵を殺さずに勝利できないかと不器用に模索しつつ、理想に反し敵を屠っていくことになるシロー。
最後に、アイナを救い味方も救うべく、軍を抜けることを宣言(当然、脱走兵扱いで銃殺対象)、部下の
カレンに「あんたはアタシが今まで出会った最低の兵隊」とまで言われ てしまうなれど、その言葉には
呆れ半分、「まあ、あんなのが一人くらいいてもいいじゃないか」という気持ち半分って感じだったなりな。
周囲を振り回しつつも、最終的にはいい結果を出していた「愛すべきバカ」だっ たしね、シローって。
「俺の歌を聞け〜!」の熱気さん(『byマクロス7』)の迷惑な馬鹿っぷりよりはずいぶんマシなりや?

一方、幼少時に母親が自分たちを捨て家を出ていったトラウマから、愛情など「粘膜の生み出す幻想」と
はき捨てるギニアス、官僚的な連邦のイーサン司令はシローの対極的な位置にあり、ゆえにどちらも
非道を行ったあげく(物語的に)敗者として消えることになるなり。♪かならず最後は愛が勝つ〜♪が
日本アニメの基本ゆえか、多くの死の重さを背負いながら生き延び、連邦軍からも逃げ延びたシローと
アイナの物語は、
悲劇に終 わった「0080」や最後に迷走した「0083」よりは救いがあってよかったなり。

総統ちゃん命令第12598号!
ミリタリー好きと普通のアニメファンのニーズの両立にちと失敗気味の本作品。特に、泥臭く敵と直に
見える近代戦での陸戦では、ラブストーリー


(注 1)・・・ほとんど軍服を着用せず、階級も無いなり。軍属(軍に雇用された民間人)でもないっぽい。
兄のギニアスが手がけたアプサラスはともかく、ドム脚ザクのテストをやってるのだから、ジオニック
社かツィマッド社の社員テストパイロットなりや?それともハンナ・ライチェみ たいな立場なりや?

(注2)・・・おなじみのガンダムの開発過程で出た不採用部品のストックを流用して2ダースほど
作られたらしい「局地戦用最高級GM」といった感じの機体。うち4個小隊が「コジマ大隊」に
配備されていたなれどアプサラスIIIとの戦闘で、ほぼ壊滅。ゲーム「ギレンの野望」では有能。

(注3)・・・現地の武装農民。ベトコンのように、表面的には民間人のフリをして抵抗運動を行う。

(注4)・・・岩山をくりぬいた工場で、発電所代わりのザンジバル級巡洋艦が隠されているなり。
ちなみにこの基地、監督によると新潟の越後湯沢(サンライズの社員旅行先)らしいなれど、
アプサラスは毎回海を越えて試験飛行に来ていたのなりや?位置関係が非常に怪しいなり。

(注5)・・・病弱で死にかけのマッドサイエンティストで女性不信の美形悪役。かなり既知外。
第10話での、マゼラアタック隊の大健闘を台無しにしたことは許しがたいなり。

(注6)・・半球状で、ミノフスキークラフトでの暫定重力制御で飛行し、強大なビーム兵器を搭載する
連邦本部ジャブロー強襲用兵器。ザクの頭やリックドムの動力源など流用部品が多いせいか、
特にI号機、II号機はいまいち不安定。ミノフスキークラフトを2基にしたIII号機でようやく完成
・・・単発の初期型が不安定、双発化した反重力機って、「未来少年コナン」のフライングマシン?
ちなみに、III号機は折りたたみ式の脚部を延ばすと「イデオン」の重機動メカっぽくなるなり。

(注7)・・・ギニアスとアイナを「様」付けで呼ぶ、もとサ ハリン家の執事っぽい軍人で、戦闘機から
モビルスーツまで何でもこなすベテラン。ランバ・ラル同様、グフ乗りのオヤ ジパイロットで強敵なり。
グフB3での鬼神のごとき奮戦ぶりは、一年戦争の戦闘シーンのベスト3に入るカッコよさなり。

(注8)・・・アメリカの有名TV戦争ドラマ。なぜか出てくるドイツ兵の名前は皆「ハンス」(笑)。

追記・・・シローの故郷はコロニー落としに使われた上、彼の家族を含む全住人は毒ガスで
抹殺されたなり。この辺は、飯田監督が自ら描く漫画「宇宙のイシュタム」に 詳しいなり。


「機動戦士ガンダム・第08MS小隊」









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